「保護犬」という言葉を変えていきたい【ほごイヌゴト番外編】

ほごイヌゴト
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言葉から受ける印象で大きくイメージが変わる

先日、アニマルコミュニケーターの横尾美香さんに、元保護犬のデイジーちゃんについてのインタビューをさせて頂きました。
インタビュー記事はこちら

その時にうかがったお話で「保護犬」という言葉、呼び方がしっくりこないという話をされていました。

筆者自身も、この「保護犬」という呼び方がしっくりきません。

それはこの言葉が持つ意味とイメージが、後ろ向きなものに感じるからです。

決してこの言葉が悪いという訳ではなく、もっとふさわしい言葉があるのではないか、と考えるのです。

言葉の持つエネルギーと印象は大きな変化をもたらしてくれるからです。

保護犬は新しいスタート、幸せな未来を作る希望を持っています

ではここから、先日のインタビューの続きをお伝えしていきます。
保護犬についての考え方のお話です。

-- 新しい家族と巡り合えた子たちって、目の輝きが違いますよね。

横尾さん : 以前、保護団体主催のチャリティに呼ばれて、アニマルコミュニケーターとして参加したことがあったんですね。
保護犬を迎えて、「この子の気持ちを聴きたいです」っていう方がほとんどだったんだけど、そのワンちゃんたちがみんな本当に生き生きとしていて。
元は保護犬であったとしても、幸せに暮らしている保護犬って良いなぁって。
それも保護犬を迎えた人が、もうこの子を2度と離さないっていう強い思いがあるからなんだよね。

-- そうですね。本当の飼い主さんに巡り合えて幸せをたくさんもらって。人の愛情を受けて犬たちも生き生きとするのでしょうね。

横尾さん : 保護犬って 1回見捨てられているから それがデメリットの様な気がするよね。
でもそれはペナルティじゃなくて、付加価値なんじゃないかなって私は思うんです。

こんな思いをしたんだから、私がそれ以上に幸せにしてあげるわよ!っていう飼い主さんが多いと思うんですね、基本的に。
そうであってほしいと思うのとね。
病気や片足がない子だったとしても、そんなハンデを全くものともしないような子もいるの。
そういう子を家族に迎える飼い主さんって、それがかわいそうだからとか、ハンデだとか思っていない人もすごく多い。
ハンデなんか気にしないわ!というような、そういう人をその子たちは選ぶんだろうなって。
もしかしたら保護犬っていうのは保護犬になる事を選択しているのじゃないかなって。
だから人間側は「そういう子たちがかわいそうだっていうレッテルを貼る必要はなくて、それぞれの犬の立場で誰かのところに来るんだろうな」って
だから保護犬だとかなんだとかって関係ないんだよなって思います。

--確かに。かわいそうという気持ちって、まさにレッテルを貼ってしまうということですね。犬は過去を受け入れ、今を全力で生きているのだから、これからのことを一緒に作っていってくれる方がきっと嬉しいでしょうね。

横尾さん : こういう子たちのことを、私は「リスタートドッグ」って言ってるんです。
もう一回始めるっていう。リスタートだよねって。
保護犬たちは、リスタートする機会をただ待ってるだけっていう風に思うと、人にね何度もチャンスはあるんだよ、そのたびに幸せになるんだよって、教えてくれてるんじゃないかな。
保護犬ってそういう意味では捨てられたことがマイナスじゃないと思う。
再スタートができるんだよ、次はもっと幸せになれるんだよって言うのを教えてくれてる。
本当に人生勉強をさせてくれてるんじゃないかなって。

-- リスタートドッグ、良い言葉ですね。再スタートを切る明るいイメージですね。新しい飼い主さんと再スタートをして幸せを作っていく。希望のある言葉だと思います。

横尾さん : リスタートドッグを広めたいなって。
INUGOTO…さんの「ほごイヌゴト」もひらがなで良いなって思ってたの。
ひらがなだと柔らかいって。漢字だと嫌だなって。
でも、リスタートだとまだ馴染みがちょっとね。
保護犬って言った方が分かりやすいんだけど、でもリスタートなんだよね。
リスタートドッグって意味的にはそうよね、再スタートってことでしょ。
だから保護犬じゃなくて、「リスタートドッグ」という言葉を広めたいの。

だって保護って「受動的」じゃない?
リスタートって本犬が「能動的」にやることだよね。

-- そうですね、保護というと保護されているという受動的なイメージ、リスタートというと自らが再スタートを切るというポジティブなイメージになりますよね。

横尾さん : 保護したってなるとかわいそうってイメージがついてるんだよね。
で、なんとかこの子たちからかわいそうってイメージを取り除いてあげたいなって。
かわいそうってフレーズがネガティブなフレーズなので、これをポジティブなものに変えることで、良いエネルギーに変わっていくんだと思う。
リスタートってなると、力強さを感じたりその言葉に含まれてるエネルギーが、なんか私も再スタートしたいとか、これを機に例えば前の犬が亡くなっちゃって、犬がいない生活は寂しいなっていう時に、私もこの子と一緒にリスタートをしたいって思えるんじゃないかな。
だって、リスタートって言葉のエネルギーが力強さを感じるじゃない。
もう一回やろうっていうような感じで。
なんかそこかなって。
保護犬っていう言葉は、どうしてもネガティブなイメージなっちゃうんだよね。

--飼い主さんと一緒にリスタートをする。言葉の持つエネルギーって本当に大きいですよね。かわいそうというイメージを払拭するには、ポジティブなエネルギーを持つ言葉を使っていく必要がありそうですね。

横尾さん : だからかわいそうな子じゃないんだよね。
仲間たちの中では死んでいった子たちはいるわけで、その中で這い上がっているわけでしょう、生き残ってやるっていうような力のある子が生き残っていく世界でもあるわけで。
でも決して動物たちは蹴落としていかないじゃない。
人間みたいに意地悪をして自分だけって子なんかいないような気がするんだよね。
臆病な子がいつまで経っても後ろにいてね、前に来れないとか、おやつに率先して頂戴って来れない子とか性格はあるけど、でもそれを、横取りもしたりするけど、でもそれは動物らしくて人間の様な陰湿さは感じられないよね。

人間だったらあいつがもらわれたら嫌だからあいつに意地悪してやれ見たいな。
そんな知恵が働くけど、犬たちはそれは絶対ないからね。
そういうところを教えてもらえるっていうのはペットショップにいる子たちではできないと思う。
だって、赤ちゃんでただかわいいってだけだから、純粋でね。
ペットショップの子は本当に赤ちゃんだから純粋でかわいいだけだけど、保護犬ってあの子たちって個性で選んでもらえるような気がする
だって赤ちゃんの時はその子の性格ってわからないもんね。
むしろ健康かどうかもまだわからないし。

保護犬の場合は健康診断もして、実はこういう病気がありますよね、目が見えませんよとか、そういうことをわかったうえで、なお かつ、臆病ですよとかね。
そういうところをきちんと知って、だから多頭のうちには向きませんよとか、甘えん坊さんですよとかね、犬は好きみたいで多頭飼いはOkですよとか。
ちゃんとわかってた上でその子の個性が好きだから、臆病な子って言われても、臆病さんでもいいですよって言えるしね。
逆に先住犬がいてその子がオラオラって感じだから、臆病さんならかわいそうだからこの子は無理だねって。
保護犬は個性で選ぶっていうことができるのもメリット

--ペットショップの子はただ純粋で、どんな子になるかわからないけど、保護された犬はほとんどの場合、ある程度の性格や性質がわかっていますよね。
その分、自分の家族として合うのかどうかが判断付きやすい。その子の個性を受け止めて迎え入れることができるんですよね。

横尾さん : そう。犬たちの個性を伸ばしてあげたいなぁって。
犬のトレーニングをすることってすごく大事だと思うのね、犬の社会性みたいなものを。
でもなんかその子の個性をなくしちゃって単一化するっていうのかな、そんなような風潮もあるような気がするのね。
犬の社会性みたいなものをやろうとすると、コントロールしていく。
人間の教育もそうじゃない、個性を伸ばさないようにしてみんなと同じみんなと仲良くできるような子供の教育をすると、個性が出なくて個性が出る子は叩かれていくっていうね。
そうではなくて、その子の個性を活かしてあげて良いんだと思う。
保護犬はある意味、個性がもう出来ているから変わらないじゃない。
そんな様子を見ていると、もっと個性を活かしなよって教えてくれているような気がするよね。

「保護犬」という言葉から明るい未来を見出せる「リスタートドッグ」へ

初めにも書きましたが、決して保護犬という言葉が悪いという訳ではありません。

実際にその言葉の方が、馴染みがありわかりやすい。

ですが、横尾さんも仰っているように、犬たちの新しいスタート、明るい未来を見出せる言葉は「リスタート」がふさわしいと思うのです。

INUGOTO…でもこのリスタートを広めていきたいと思っています。

新しいスタートを待っているたくさんの犬たちが、1頭でも多く優しい家族と巡り合い、リスタートできるように願います。

今後もリスタートした犬たちと飼い主さんのインタビューを掲載していきます。


ほごイヌゴト
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この記事を書いた人
inugoto...編集部

INUGOTO...編集部です。
様々なイベント、セミナー、お出かけスポットの紹介や、犬にまつわるコラムなどを執筆しています。
3度の飯より犬が好き!
犬とその家族の幸せを何よりも願っています。

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